愛犬と泊まれる宿を探していると、同じ「ペット可」でも中身が宿ごとにまるで違うことに気づきます。食事を一緒にできるのか、追加料金はいくらか、ワクチンの証明は要るのか。調べてみると、肝心なところがサイトに書かれていない宿が驚くほど多いものです。これは情報の手抜きというより、宿によって対応の幅が広く、ひとことで決めきれないことの裏返しでもあります。この記事では、全国868軒の犬と泊まれる宿の掲載ポリシーを5つの観点で集計し、予約前に何を確かめておくべきかを整理しました。
数字をひとつ先に挙げておくと、5つの観点のどれを取っても「ポリシーに明記している宿」は半数以下です。つまり、サイトの記載だけで判断しようとすると情報が足りないことのほうが多い。だからこそ、観点ごとの相場観を持ったうえで、最後は宿へ直接確認するのが失敗しないコツになります。
まず食事を一緒にとれるかを確かめよう
旅先で愛犬を部屋に残して食事に向かうのか、それとも一緒の席につけるのか。ここは宿選びの満足度を大きく左右しますが、集計した868軒のうち食事の同伴可否を明記していたのは212軒、全体の2割強にとどまりました。
しかも明記している宿の中でも対応はきれいに二分されます。「レストランに犬も一緒に入れる」系がおよそ85軒、「部屋食プランがある」系がおよそ80軒と、ほぼ拮抗していました。前者は人の食事の場に犬を連れて行ける宿、後者は人の目を気にせず部屋で完結できる宿で、求めるものが正反対です。
明記のない残り8割近くは、サイトを見ただけでは判断がつきません。愛犬と同席で食べたい人も、逆に部屋でゆっくり済ませたい人も、希望がはっきりしているほど予約前の確認が効いてきます。
追加料金は「1頭あたり2,200円前後」を物差しにしよう
ペットの追加料金は、明記している宿が443軒と全体の約半数まで増えます。判断の物差しとして、まず相場を頭に入れておきましょう。
金額がわかる宿で見ると、1頭あたりの追加料金は中央値で2,200円ほど。安いほうの目安が1,500円、高いほうの目安が3,300円で、おおむねこの幅に収まります。一方で「無料」と明記している宿も81軒あり、料金を明記している宿の2割弱を占めます。有料が多数派ではあるものの、探せば無料の宿もそれなりにあるということです。
注意したいのは、この金額が1頭あたりだという点です。多頭で泊まれば頭数分が加算されることが多く、予約サイト経由だとプランによって条件が変わることもあります。表示の料金がそのまま総額とは限らないので、頭数と経路をそろえて確認しておくと、当日の精算で慌てずに済むでしょう。
ワクチンの接種証明は持っていく前提で準備しよう
ワクチンや証明書について何らかの言及がある宿は139軒で、全体の1〜2割ほど。観点の中ではもっとも記載が少ない項目です。記載が少ないからといって、証明が要らないわけではありません。
明示している宿の内訳を見ると、狂犬病ワクチンに触れているのが99軒、混合ワクチンに触れているのが78軒。要件をはっきり示す宿では、狂犬病と5種以上の混合ワクチンの証明がほぼ定番になっています。サイトに書いていない宿でも、チェックイン時に接種証明の提示を求められることは珍しくありません。
接種を済ませた動物病院の証明書は、コピーでもよいので一式持っていきましょう。当日になって提示できず慌てるより、最初から持参を前提にしておくほうが確実です。
大型犬は「条件付きで可」が基本と考えよう
「うちの子は大きいから泊まれないかも」と心配する飼い主は多いものですが、データを見るとそこまで悲観する必要はなさそうです。大型犬に触れている宿は177軒ありましたが、そのうち「大型犬は不可」とはっきり断っているのは24軒だけ。大型に言及している宿の1割強、全体で見れば3%にも届きません。
つまり多くの宿は、大型犬を一律で締め出すのではなく、体高や体重、頭数といった条件を付けて受け入れています。体高や体重の数値で上限を示す宿は113軒あり、たとえば体高50cmといった線引きで可否を分けるイメージです。小型・中型であれば、基本的にはどの宿でも問題になりにくいでしょう。
ただし、その「条件」は宿ごとにばらばらです。同じ大型犬でも、ある宿では問題なく、別の宿では上限を超えることがあります。サイズに不安があるなら、犬種ではなく体高・体重の実数を伝えて確認するのが確実です。
クレートは「借りられるか」を予約時に聞いておこう
就寝時や部屋を留守にするとき、愛犬をクレートに入れておくルールはペット可の宿で広く採られています。クレートやケージに触れている宿は483軒と、5つの観点の中ではもっとも記載が多い項目でした。
内訳を見ると、宿側が貸出や備え付けを用意しているケースが432軒と大多数です。一方で「持参」が条件に出てくる宿も76軒あり、自分で持ち込む前提の宿も一定数あります。多くの宿では借りられるものの、すべてではない、というのが実態です。
使い慣れたクレートがあるなら持っていくに越したことはありませんが、車のスペースの都合で置いていきたいこともあるでしょう。その場合は、宿で借りられるかどうかを予約のタイミングで聞いておくと、現地で「持ち込み必須だった」と困らずに済みます。
予約前チェックリスト
ここまでの5つの観点は、どれも「サイトに書いていないことが多い」という共通点があります。最後に宿へ問い合わせる前提で、確認しておきたい項目をまとめました。
- □ 食事は同席できるか、それとも部屋食か(同席希望なら特に確認)
- □ ペットの追加料金と、その料金が1頭あたりか頭数分かかるか
- □ ワクチンの接種証明が必要か(不明でも証明書は持参する)
- □ 愛犬の体高・体重がサイズ条件に収まるか
- □ クレート・ケージは宿で借りられるか、持参が必要か
宿が決まっていない段階なら、まずは候補を広く見比べるところからです。全国の犬と泊まれる宿を探すと、条件や雰囲気の幅が見えてきて、確認すべきポイントも絞りやすくなります。
まとめ
犬と泊まれる宿選びでいちばん大事なのは、相場観を持ったうえで、最後は宿に直接確かめることです。今回集計した868軒では、食事・料金・ワクチン・サイズ・クレートのどの観点でも、ポリシーに明記している宿は半数以下でした。書かれていないからダメなのではなく、宿ごとに対応の幅が広いだけ。だからこそ、おおよその相場を知ったうえで自分の犬の条件を伝えれば、ほとんどの不安は予約前のひと手間で解消できます。気になる宿が見つかったら、全国の犬と泊まれる宿一覧から条件を見比べて、確認のポイントを絞り込んでみてください。